実は、創業や起業については、過去のブログにも書いたことがあるのですが、改めてその意味と意義を書こうと思います。
このブログを書くきっかけになったのは、最近、あまりに無責任な大人が多い。と痛感することが多かった事にあります。
ただ、それは単なる愚痴や文句ではなく、ある種、危機感を感じています。

  クラト株式会社の創業の目的

クラト株式会社の創業の目的は、ホームページ(https://www.xcrat.com/)にも記載していますが、「人の記憶に蓄積されてきたパーソナルデータを個人が活用できる社会づくり」を目的としています。
これは、未来の日本、10年後、30年後、もっと先になるかもしれませんが、新たな人類の可能性をひろげるための手段として、活用してもらいたいものを推進していくためです。
ここでは、詳しくは書きませんが、是非、ホームページをご覧ください。

  創業・起業の意味が変わったタイミング

会社を設立する時には、資本金が必要です。
現在、資本金は1円でも会社がつくれてしまいます。
これは、2005年の会社法の設立のタイミングで、それ以前まであった、最低資本金制度の廃止から、変わったものです。
最低資本金制度では、有限会社では300万円、株式会社では1000万円が必要でした。

そして、昨今では、インターネットをつかえば、創業手続きは簡単にできるようになりました。
(実際には、創業後、銀行開設やホームページ制作、名刺をつくったり、電話開設したりと、やることは沢山あるのですが。)

株式会社をつくる。創業・起業することが、容易にできる時代となりました。

  金融機関と創業

ここ数年は、創業支援という名目で、金融機関から融資を受けることが、以前より簡単になったと言われています。

私自身、創業前に、商工会議所などの研修やセミナーを受けましたが。
ハッキリいって、このレベルの研修やセミナーの内容を、創業時に知らないって人が沢山いたのにビックリしました。
簡単に言えば、創業・起業する人の、レベルが下がっている。といってもよいのだと思います。

そして、それは金融機関にも、同じことが言えると思います。
弊社の顧問は、元々金融機関出身ということもあり、常日頃、このような話をしていますが、金融機関の融資担当は、昔に比べてビジネスを知らない。と愚痴をこぼしています。
正直なところ、私も同意見です。
IT業界って、未だに理解されない事が非常に多いです。

 




 

  利益と「こころざし」

創業・起業するうえで、様々な想いをもって行動に移すと思いますが、そのなかで、必ずついてくるのが、「利益」についてです。
株式会社である以上、営利目的であり、利益を出すことは、自分達のためにも、会社のためにも、必要です。
IT業界でよく言われるのが、
「受託開発をやっていると、自社サービスをつくれない」
IT業界で創業・起業する人は、上場だったり、バイアウトを狙っている人が多いと思われます。
そして、それを実現するためには、自社サービスの提供が、必要不可欠です。
仮に受託開発のみで行おうとすれば、それは人材派遣なのか?近しい事でしか、実現が難しいです。

上場目的であったり、バイアウトが目的である。というのは、悪い事とは思いません。
ただ、個人的には、それはゴールなのかな?と思ったりもします。

上場やバイアウトは、何かしらを成すための手段であって、それが目的であるのであれば、それは、お金が最大の目的である。ということだと思います。
ここで、「お金目的で何が悪い?」という人もいると思います。
私も、悪いと思いません。
ただ、上場させるだけの力がある人々なら、その先を考えてほしいと思ってしまいます。
少なくとも、社会の一部である以上、社会の未来を考える。というのは、皆に平等に必要な義務だとも思います。

また、別の面として、創業や起業をするということは、人を集める必要があります。
1人で、できることなど限られますから。

その時に、あなたはどんな人を、集めますか?
どんな人と働きたいですか?
どんな会社で働きたいですか?

ここで重要になってくるのが、「こころざし」です。
創業・起業の目的が、明確でないと、結局、人は離れていってしまいます。
そして、この「こころざし」は、社会にとっても意味のあるものであってほしいとも思います。

私の教訓ですが、人の人生はいつ終わるか?なんて誰にも解らない。
だからこそ、意味のあるものにしたい。それが社会のなかで小さな一つだとしても、未来を創れるのは、今、生きている人だけです。

そして、もう一つ、大切な事。
今の世の中があるのは、過去の人がつくってくれたから。

綺麗事。と言われるかもしれませんが、人の心を動かせるのは、最後は、「こころざし」であると思います。

そして、会社というのは、人で成り立っているものです。

だからこそ、創業・起業の目的や意味が、本当に社会にとって必要な事なのか?ということを、自問自答してから、創業・起業してほしいと感じます。