2018年、IT業界の一つのバズワード「情報銀行」
2018年10月19日(金)に、一般社団法人日本IT団体連盟主催の、「情報銀行」の説明会に参加してきました。
当日は、会場にはTVカメラが入り、100名以上の参加者がおり、総務省副大臣が挨拶したりと、どんな内容が発表されるのか?期待でいっぱいでした。
詳しいことは、一般社団法人日本IT団体連盟のHPや、総務省のHPに記載されていますので、こちらを参照してください。
要約すると、
①国は、国民のために、この仕組みをつくります。
②今回は、官民一体となり、民間主導で、この仕組みをつくります。これは画期的なことです。
③「情報銀行に取り組む企業」「情報銀行を利用する企業」「一般のユーザー」それぞれが恩恵を受ける事のできる仕組みです。
④まだまだ、様々な問題や課題を抱えていますが、取り組みはスタートします。
といったところです。
早速、突っ込みどころ満載です。
まず、情報銀行を一言でいうと、
人の様々なデータを「情報銀行業」をうたう企業が、一時的に預かり、当人の許諾のもと、人に様々なインセンティブを与え、データを欲しがっている企業や団体へ提供する。
ビジネスです。
そう、銀行の資産運用をイメージしてもらえれば、解ると思います。
よく、ビジネスの世界でも、win-win-win って聞きますが、実現しているケースを、ほとんどみません。
今までは、個人情報保護法という法律があり、更にはヨーロッパをはじめ、今まで以上に個人情報の取り扱いや収集に厳しい世の中になってきたところに、
正当っぽい理由をつけて、個人の情報を売りさばいて利益をあげようという。昔の名簿屋を国が認可しますよ。的なイメージです。
そもそも、データを欲しがっている企業が、情報銀行業の企業から、個人のデータを買った場合、その先のデータの行き先は、誰が保証するんでしょうか?
個人情報流出の原因の多くは、人的なものによるものだという報告もあります。
どんなに技術が発達しても、人の記憶を、意図的に消去する技術は、まだでてこないでしょう。
とすると、個人のデータを、情報銀行に預託した段階で、個人のデータは、ばらまかれる。覚悟が必要です。
更に、インセンティブとありますが、多少のポイントやお金のために、自分の個人のデータを危険にさらしますか?
正直、ユーザー、国民にとって、何のメリットも感じない仕組みです。
国の本当の狙いは?
この制度をつくることで、国が一番期待していることってなんでしょうか?
データを買いたがる企業は、大手企業、そのなかでも、積極的に広告、マーケティングに取り組んでいる企業です。
そう、国は、大企業が内部保留している資産を少しでも、流出させたい。という狙いを感じます。
一番の問題点
この情報銀行という制度、認定制らしいです。
それも、「一般社団法人 日本IT団体連盟」が認定するようです。
まあ、よくある話です。
ただ、問題は、写真をみてもらっても分かる通り、審査料と認定料です。
審査料が、70万円から・・・
さらに、
認定料が、2年で、50万円
ぼったくりとは言わないが、これでベンチャー企業は、さよならですね。
この資産をうけるのに、プライバシーマークや、ISMSなどを取得していないと、審査料があがるようです。
100万以上だして、審査してもらい、認定料払って。企業はどれだけ儲けがでるビジネスだと思いますか?
これ、ビジネスの話ですよね?
慈善事業じゃないですよね??
誰が得するんでしょうかね???
最後に。
私たち、クラト株式会社が手掛けるパーソナルソリューション事業は、似て非なるサービスです。
本当に個人のためのデータ活用を目指す仕組みです。
こうご期待ください。