最近では、当たり前になった、アジャイル方式のプロジェクト。
でも、それによって、失敗するプロジェクトが増えているのも事実です。
そもそも、アジャイル式の開発と、ウォーターフォール式の開発では、ゴールが違うんです。
プロジェクトのゴールとは?
今更ながら、当たり前の事なんですが、プロジェクトをスタートするには、いくつかの決まり事があります。
(a)契約
(b)予算・金額
(c)スケジュール
最低でも、この3つは決める必要があります。
しかし、これらを決めるうえで、最も大切なのが、
「ゴールの設定」
です。
これが曖昧なままだと、プロジェクトが崩壊します。
しかし、ほとんどのプロジェクトが、
・サービスリリースがゴール。
・要件の開発が終わったらゴール。
といったように、あくまで全体の一部分をゴールとしてしまうケースが多いです。
何故でしょうか?答えは簡単で、マネージメントする側が、
知らない。
んです。
最近よく聞くのが、アジャイル式で開発をしたい。だから、プロトタイプをつくるまでがプロジェクトのゴールです。
というセリフ。
確かに、アジャイル式では、トライ&エラーを繰り返しながら、徐々に積み上げていく。開発スタイルとしてマッチしているようにも思います。
ただし、この場合、あくまで研究開発の一環であって、プロトタイプのリリーススケジュールを組んではいけません。
当たり前の事ですが、研究開発と、サービス開発は別物です。
本来、アジャイル方式は、プロトタイプを構築するうえで、最も威力を発揮する方法です。
そして、それはスケジュールなどではなく、成果によってゴールを定めます。
しかし、最近では、サービス開発を、このアジャイル方式で行ったために、予算が足りない、スケジュールが守れない、必要な機能が足りない。
行きつく先は、みんなが疲弊し、プロジェクトの崩壊です。
私の経験上、アジャイル方式での開発のゴールは、プロジェクトの作成。
これに限ります。
では、実際にサービス開発を実施したい場合、自社では開発できないが、他社にお願いします。
この場合は、本来は、
STEP1 アジャイル方式でのプロトタイプを作成
STEP2 実証実験
STEP3 ウォーターフォール式での正式開発
の流れが、成功の秘訣です。
ここで、問題になるのが、予算です。
結局は、ビジネスですので、予算ありき。ということになりますが、
予算ありきのプロジェクトは、必ず失敗します。
何故か? 理由は明白で、その予算は、誰がどのようにして作成しましたか?
全体の工程をしっかりと理解し、経験のある人が予算を作成していますか?
ということです。
例えば、
予算1000万円でサービスをつくりたい。
とします。
この場合、どこにどの程度の予算を振り分ければいいんでしょうか?
これが、パッと頭にでてくる人は、優秀なプロジェクトマネージャーです。
あと、勘違いが多いのが、とりあえずサービスをリリースして、機能を拡張していく。方式ですが、
これは、アジャイル方式での開発ではありません。
一般的なウォーターフォール式での開発の延長です。
開発のその後
さて、ここまでは、開発のゴールについて記載しましたが、実際のゴールの決定は、どこなんでしょうか?
当たり前ですが、開発したら、それをリリースします。リリースすれば、様々な問題や課題がでてきます。
実は、ここからが、一番コストがかかり、かつ大変なところです。
WEBサービスやアプリを活用したビジネスを運用するには、様々な費用がかかります。
簡単にいえば、開発の3倍程度の予算は必要です。(あくまで運用であって、広告費用などははぶく)
この視点を持ってる企業や人は、本当に少ないです。
昨今、よくきく、ビジネスコンテストや、アクセラレータープログラムなど、様々な新しいビジネスに対する支援がありますが、
この点を理解していないために、サービス化の部分で、頓挫してしまうケースが、本当に多い。
そして、開発を外部に委託する場合、システム保守などでバグ対応や改修の一部を依頼することはあっても、
サービス(ビジネス)そのもののサポートを継続的に依頼している企業が、本当に少ないです。
コストだけでみないでほしい
アジャイル方式とウォーターフォール式という点から少し話がそれましたが、一般的みて、アジャイル方式での開発は、一見、
開発コストが安くみえがちです。
開発月額200万
開発総合1200万
では、なんとなく200万が安く見えてしまう。
でも、先にも記載しましたが、それぞれの開発方式のメリット・デメリットをしっかりと把握したうえで、選択してください。
ここ最近、本当にプロジェクトの立て直しのご相談が多いです。
それは、また今度記載しますが、エンジニア経験のないプロマネやコンサルタントに騙されないでください。
どこにコストをかけるべきなのか?
それを、しっかりと発注側の立場と受注側の立場になって、コントロールできるのが、プロマネです。
きっと国内の開発プロジェクトの成功率が、10%あがるだけでも、国内の景気はぐっとあがると思います。
開発方式と合わせて、プロジェクトのゴールとは何なのか?を、今一度、自分のプロジェクトに置き換えてみてください。